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スマートフォンやタブレットのインターフェースがフラットデザインなのはなぜか

長い間ホームページデザイン(特にボタン)は立体的に表現するものとされていました。クリックしたとき押し込まれたように変化するエフェクトもありました。
これはマウスをクリックすると、物理的に押し込まれるからです。指先の感覚と画面が一致するため違和感がないのです。

タブレット・スマートフォンはクリックでなくタップです。初期の頃はかなり強く押さないと反応しなかったのですが、今は本当に軽く触れるだけです。ガラスなので押し込むことはできない。
この軽やかさを表現したのが、フラットデザインといえます。操作感覚を表すインターフェースデザインとして自然な帰結です。

電子書籍リーダーも、Kindle PaperwhiteはいうまでもなくB&Wのフラットなものです。それ以外のデバイスは実質的にタブレット端末ですから、やはりフラットデザインがふさわしいのではないでしょうか。

フラットデザイン、じつは日本発祥?

フラットデザインといえば、やはり錦絵(浮世絵版画)のベタ塗りが思い浮かびます。熊谷守一の具象を単純化して平面に塗りつぶす表現もなかなか面白いのですが、まだ油絵の具のタッチが残ります
そしてスーパーフラットなら、ジャパニメーションの極限までシンプルに徹した2次元の表現です。
浮世絵では雲母(キラ)を使ったりしますが、線囲みに色ベタを塗るという、テクスチャーもなにも無視した造形は、もはや様式美と言っていい。

源氏物語絵巻鳥獣戯画が描かれた同時代のものといわれる、扇面法華経冊子は墨刷り版画を下地としていることが分かったそうです。浮世絵版画の技法は江戸時代に突然現れたのではありません。絵巻物から始まりジャパニメーションに至る平面表現は、日本伝統の技法といえるものです。

源氏物語絵巻の、吹抜屋台と呼ばれる透視画法がなぜ生まれたか。床の上に置き座って横スクロールしながら見るユーザーインターフェースを前提とし、バーチャルな視点から描いたのではないでしょうか。
絵巻物はスクロール表現の原初であり、至高であるのかもしれません。しょせんwebの世界はバーチャルです。リアルさを求めても仕方がない。ジャパニメーションにCGの3Dなんか似合わない。
フラットデザインを極めれば、芭蕉翁の「軽み」に通ずることにならないかと夢想します。

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