AIweb publish ePub3.0

AIwebpublish Enhanced E-book

このままでは日本語電子書籍の未来はない

私は、ePub3および基準となるhtml5+CSS3の日本語組版ルール対応には、全く興味なく必要性もないと考えています。
たとえば縦組対応。CSS3.0で縦組に対応したと喜んでいますが、サンプル〈夏目漱石 草枕〉の表示を見たところ問題外、日本語組版のルールに対応するといっても不完全なものです。日本語に対応しているはずの、商用DTPソフトでも縦組どころか、横組さえ満足にできてないのが現状ですから。
※素朴な疑問=縦組で欧文混在表示はどうなるのでしょうか。また組数字はどんな具合に表示されるのか。(実機を見てないので不明)DTPの縦組ではどんなに工夫しても、美しくレイアウトできませんでした。

また、右綴じ左綴じにどう対処するつもりでしょうか。キンドルはページネーションの概念がないようだからいいのですが、他のデバイスでは、確かページをめくるエフェクトがあるみたいです。
上記の例(WebKitで見ました)では、ズリズリと横スクロールしています。もしかしたら彼らは、縦組は右綴じ、横組は左綴じということすら知らないのかもしれません。(Epub3でやっと対応しているようです)

また、ルビ機能も別に必要ないと思っています。難読漢字を使わなければいいだけだし、どうしても使うのだったら、振仮名(ふりがな)で済むことです。振仮名ふりがなはどうも具合が悪い。
ルビ・振り仮名はレイアウト面から見ても、けっして美しくないし可読性を損ないます。なんで、これほどまでに拘るのか私にはとうてい理解できません。
技術的なことは分からんのですが、注釈機能のような感じで難読漢字をクリックなりタップすれば読みが表示される、といったことは簡単にできるのではないでしょうか。
たとえば、こんな具合に『与話情浮名横櫛』(←カーソルをのせてください)。電子書籍なら、この方がよっぽどスマートだと思います、いかがなものでしょう。

漢字(文化圏)組版は日本だけでないことを忘れてないか?

漢字をたくさん使うのはもう止めにしましょう。一点一画にこだわるなんて全く意味がない。些細な違いや異体字に拘泥しなければ、もっと表現の巾が広がるはずです。
「働」と「仂」、「第」と「㐧」、「叱」と「𠮟」、「告」と「吿」こんなものを使い分ける必要がありますか? また渡辺の辺の異体字は、外字だけ見ても確か16種類あります。日本中の渡辺さんが、これを正確に書き分けているとは、とうてい思えません。(例に引いてすみません)

そんなことをしているから、どんどん文字種が増えます。これ以上、むやみに文字種を増やしていったら混乱するだけです。
マイクロソフトの法人営業は住基ネットだけでなく、ついにここまで来てしまいました。これで、いろんな人がIVS文字を使うようになるでしょう。日本語入力環境は完全に崩壊します。
6万もの漢字を使い分けられると本気で思っているのでしょうか。日本語電子書籍を頓挫させるために、こんなことをやっているのではとさえ思えます。

日本では漢字はもともと、すべて当て字なのです。正答も間違いもありません。手前味噌なんですが、こちらの〈漢字と日本語表記〉もご参照ください。漢字の読みとかルビのことについて少し触れています。

ユニコードは百害あって一利なし。何でもかんでも突っ込んだおかげで、日本語表現にとって、はなはだ使い勝手の悪いものになってしまいました。
こんな不毛の検討をしている間に、中国の国策会社「方正」に主導権をとられてしまいます。

方正の提唱する「JEBX」なんて話も出てきています。これは中国の標準方式「CEBX」を、日本向けにローカライズしたものです。業界紙の組版データなどから始まり、すでに方正は日本を蚕食しています。うっかりすると、電子書籍の標準は簡体字になるかも?

AIweb publish